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October 19, 2010

ジョブをこなす起業家と、ビジネスを生み出す起業家

シリコンバレーで起業家というと、ハイテクやバイオの世界で画期的な製品やサービスを引っさげ、ベンチャーから投資をうけてビジネスをスタートする事をイメージしますが、起業家(entrepreneur)という言葉自体にはもう少し地味な起業も含まれます。

私は、SVJEN(シリコンバレー日本人起業家ネットワーク)という団体と、SVEC(シリコンバレー起業家クラブ)という二つのEntreprenurと名の付く団体に所属しています。この二つのグループでは、名前が似ているだけで、「起業」という言葉の意味合いが大きく違うようにおもいます。メンバーもどちらかというと前者が前述したような派手な起業家の集まりであるのに対して、後者は主に地元スモールビジネスの団体です。

SVECは商工会議所などには属しておらず、仲間同士で自発的にできた団体で現在約42人のメンバーが隔週の朝7時半に集まっています。日系団体ではなく、メンバーも多国籍ですが日本人メンバーは今の所、私だけです。メンバーのビジネスは、会計士、コスチュームショップオーナ、ハンディマン、家具屋、不動産屋、印刷屋、ミュージシャン、絵本作家などなど、スモールビジネス、個人事業主が中心です。

私は自分を含めてこれらの個人事業主を起業家と呼ぶことに抵抗を感じます。entrepreneurを辞書でひくと、

【noun】a person who organizes and operates a business or businesses, taking on greater than normal financial risks in order to do so.
とあります。リスクを取ってビジネスを組織し運営する個人が起業家というわけですが、個人事業主が運営しているのは「ビジネス」では無いと思うからです。

脱サラ起業家のバイブルとして有名な、Michael GerberのThe E-Myth Revisited: Why Most Small Businesses Don't Work and What to Do About Itという本があります。この中で、Gerberが「なぜ(ほぼ)全てのスモールビジネスの起業は失敗するか」の理由として、

「ある技術に優れている者が、その技術を売り物にする商売にも優れているという致命的な誤解」

からビジネスを始めてしまうケースが多いからだと書いています。会社でどんなに上手に仕事をこなしても、それはあくまで仕事(ジョブ)であって、商売(ビジネス)では無いという事です。このような人は、起業しても今まで与えられていたジョブを自分で取ってくるようになるだけで、結局ジョブをこなしているだけでビジネスは生み出していません。したがって、自分の時間と能力が許す狭い範囲の中でしかスケールすることができず、独立開業する前より周辺雑務をこなさなければいけない分、忙しくなる割には対して儲からないというケースが多く、結局耐えきれず長続きしません。

E-Mythの中でも、アメリカで毎年起業されるビジネスのうち、

一年以内に潰れるのが4割、5年後には8割がつぶれ、残る20%も次の5年で無くなる

と書かれていますが、このグループで周りの人をみているとあながち大げさではない、どころか2割も5年間残っていたらいいほうとすら思えます。

ジョブこなし型のビジネスで長続きするのは、医者や弁護士のような特殊な技術を持っているケースですが、それでも時間単価がある程度他の職種より高いだけで自分の時間を切り売りしていることには何ら代わりがなく、ビジネスとは言えません。前述の本によれば、独立開業した商売がジョブではなくビジネスであるためには、

・存続のための日常業務に自分が不要で
・スケーラブルで
・自分だけでなく従業員等、他人にも設けさせる仕組み
・マニュアル化してフランチャイズが可能なビジネスモデル

でなければなりません。

会計士さんが一人でいくら頑張って時間単価を上げ、勤務時間を増やしも収入を2倍にすることはできても、自分ひとりでは10倍にすることはできません。10倍にしようと思ったら、他人を雇用し従業員に効率よく働かせる仕組みを創り上げる必要があります。ということは、ある技術、能力に優れている人が自分の技術、能力を元にスタートした時点でビジネスには成り得無い、または大きな方向転換が必要になるわけです。

ビジネスを成功させるには、マネージャー、起業家、技術者の3つの人格が必要と言います。一人で始めたビジネスを成功させるには、この三つの人格がそれぞれ人より優れていて、かつバランスが良いことが大事です。そんな人なかなかいませんよね。だから、起業して成功を得る人も少ないのです。

以前、日本人起業家ネットワークのほうで、地元のレストランオーナーを起業家としてセミナーに呼ぼうと提案したところ、レストランオーナーは起業家ではないと反対されたことがあります。皮肉にも、いまシリコンバレーで元気な日系ビジネスはレストラン業ではないでしょうか。レストランのオーナーシェフも1店目までは、ジョブの延長とも言えますが、投資を集め、店舗や有能なシェフを買収し、次々と二店目、三店目をオープンしてゆけばこればこれは既にビジネスです。私のように独立開業したものの、日夜ジョブに追われあくせくしている自称起業家さんより、よっぽど立派な起業家です。


October 13, 2010

シリコンバレーで日本人向けビジネスをするということ

シリコンバレーの日本人コミュニティはロサンジェルスやサンディエゴと比べてあまり大きくはありません。領事館に届出をしていない人も多いので、この地域に住んでいる日本人の正確な人口はわからないのですが、北カリフォルニアベースの日本語フリーペーパーの発行部数が3万部、サンタクララカウンティの学校に所属する日本人生徒数が2万1千人、などのデータから2万世帯、4万人前後ではないかと推測します。

この数字は特に最近減少傾向にあり、年金法の改正で9月末に多くの長期駐在員が帰国した後、入れ替わりの新人があまり入ってきていない状況もあり、ラーメン屋の行列の短さなどから一昔前より日本人コミュニティが狭くなっていることが実感されます。

このエリアで日本人をターゲットにしたビジネスをすることには、大きなリスクがあります。

ターゲットとする人口の母数がすでに少ないので、余程ユニークなビジネスでない限り、同じ日本人同士での競合が避けられないからです。また、長期滞在の日本人ほど、最初は日本語の通じる会社を利用していたが、徐々に地元ビジネスに移ってゆく傾向があるため、長期リピーターが獲得しにくく常に新たに引っ越してきた人を相手にビジネスをしなければいけません。

4万人という母数は、ビジネスの種類にもよりますが、独占できれば十分大きな数字でも、競合と住み分けるには小さいというケースが多いようです。競合がいない状態でスタートしたビジネスが短期的に成功しても、市場があると気がついた後続と価格競争になるのが必至です。

日本人向けにしたビジネスが、日本人にしか提供できないビジネスであれば非日本人との競合はありません。例としては、日本の文化を教える教室の先生、日本独特の医療のクリニック、本格日本料理などです。

その他のビジネスでは、「日本語が通じる」という付加価値を武器に非日本語ビジネスと競合することになります。例としては、不動産、ファイナンシャル、医師、自動車販売、等です。これらの場合、「日本語が通じる」という付加価値に対価を支払ってくれる日本人が主な顧客となり、その付加価値が通用しない非日本人とはサービスや商品そのもので勝負することを迫られます。引越してある程度こちらの生活にも慣れた日本人は、自分が支払っている「日本語が通じる」という付加価値への対価が妥当なものかどうかを考えるようになります。

今通っている歯医者より、近くて評判もいい歯医者に移りたい。日本語が通じるからとりあえず通い始めた歯医者だが、実際に日本人の先生が登場するのは最後の数分で、クリーニングやチェックアップ、受付は全部英語。だったら、地元の非日本人に人気の歯医者でもいいかな。と、考え始めるわけです。(特定の歯医者さんをさしているわけではありません)

その時に、「いや、あの先生は非日本人の患者さんも沢山あるし、料金やサービスも同じ程度」であればいいのですが、「お客さんは日本人ばかり」「料金は割高」のビジネスでは、流出を食い止めることができません。それだけならまだいいのですが、「非日本人コミュニティでは通用しないサービス(料金)」と判断されるのはビジネスにとってかなりの痛手となります。実際に後者だった場合、追従する他の日本人ビジネスにもその座を簡単に奪われてしまう立場にあることになります。

言い換えれば、地元日系誌の広告を見て、日本人だけをターゲットにしているビジネスがある程度成功しているようで、かつ非日本人コミュニティは対象にしていないようであれば、「マーケット開拓ご苦労様」といって、そのマーケットの2番手として「やや安い」「やや良い」サービスを提供すれば簡単にそのマーケットをtake overすることができるわけです。もちろん、3番打者に追い出されるリスクもありますが。

また、日本人対象ビジネスで怖いのが、採算度外視の趣味ビジネスが存在することです。

先に述べたように、狭いマーケットで競合が少ないため、駐在員の妻やエンジニアの副職などの時間を持て余している人が始める趣味の延長として始めるビジネスがあります。これらのビジネスは、趣味の延長として充実感や、満足を得ることが目的のため、単体のビジネスとしては採算が合わないような価格でサービスが提供されているケースがあります。

もちろん、市場は自由競争ですからビジネスオーナーとしてはこのような競合と戦っていくのは必要ですが、非日本語人に通用するビジネスとして始めていれば怖くない主婦の趣味ビジネスも、日本語対応だけに頼ったビジネスだと、趣味ビジネスにすら煽られる危険があるわけです。

具体的な例を出したいのが山々ですが、狭いコミュニティゆえ、これ以上詳しくかけないのが残念です。

というわけで、私はできるだけ地元の非日本語人顧客を増やすことが結果的に日本人コミュニティでも長期的に認められる事だと信じて、数年前から営業活動は全て英語でやっています。そのへんの詳しい話しをはまた少しずつブログに書いてゆこうとおもいます。


October 25, 2007

CHAMBER OF COMMERCE 商工会議所

svcoc.jpg
地元のビジネスのネットワークを広げる目的で今月から市の商工会議所のメンバーになりました。 今日は午後から毎週木曜日に行われている小グループの勉強会で、Webビジネスについてのプレゼンテーションを行い、夜はダウンタウンの、Scruffy Murphy'sで開催された月例のメンバーミキサーに参加してきました。
商工会議所というと堅苦しい感じがしますが、地元でビジネスを営むおっちゃんやおばちゃんが集まって、情報交換をしたり、お客さんを紹介し会ったりととても有意義でかつ楽しい集まりです。 商工会議所の集まりにイソイソと出かけてゆくようになった私に、カミサンから「商店街の寄り合いにいくおっちゃんみたい」と言われました。 まさにそんな感じです。

とはいえ、そのネットワークの広さと強さは地元でビジネスを行う以上無視できないものがあります。 メンバーの中には、「公私共に車の修理からドクター、買い物、不動産に至るまで Chamberのメンバーにしか頼まないし、自分のビジネスのお客さんはほぼ100%の商工会議所のメンバーかその紹介」という人も多く、商工会議所内完結型のビジネスもあるくらいです。

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August 06, 2007

iPhone 一ヶ月

6月29日の発売日にアップルストアに並んでiPhoneを購入してからちょうど一ヶ月。 すでに生活の一部として無くてはならないアイテムになりつつあります。

これまでも、ハイテクガジェットおたくの私はは知る人ぞ知るSONYのPalmTopに始まり、ザウルス、WindowsCEに至っては3世代も買い続けてきたワケですが、その結論として:

・もともと予定表をつけないひとがPDAを持ったからといってスケジュール管理は向上しない
・メールやWEBはちっちゃい画面でみるのも書くのも面倒。 すぐ飽きる。
・ちょっとしたメモやすぐ見たい情報は紙のメモ帳には勝てない。 それ以上の場合はノートパソコンが矢張り便利
・結局、MP3プレイヤー兼、ゲーム端末になっておしまい

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May 18, 2007

Webページデザイン更新

mclabs_web.jpg
会社のWebサイトのデザインを更新しました。 これまでのサイトは会社設立前に慌ててつくったままほとんど手をいれていなかったので、内容的にも古いし、デザインもイマイチのところがあったのですが、ついついお客さんのサイトが忙しくて自分のところまで手が回りませんでした。 シンプルながらも各所にフラッシュでイジレル仕組みを入れたりと、いい感じにできたと思っています。 気がついてみるとポートフォリオもだんだん充実してきました。

October 27, 2006

User Experience

通販部門で扱っているコンシューマー向けのビデオ機器がたまに修理のために返ってきます。 修理が終わってお客様に返送する際に、製品や周辺機器を入れている梱包材やビニール袋を新しいものに変えて出荷しているのですが、うちのアメリカ人社員にはなぜそんな無駄をするかわからないそうです。 日本ではあたりまえですよね。

そういえば、こっちの人ってプレゼント貰ったときも包装紙を綺麗にはがしたりせず、ビリビリっとやりますよね。 でも、送られてきた商品を開けたときに、たとえ新品でなくてもきれいなビニール袋に入っているのって気持ちがいいと思うんです。 自分がそうだから。 逆に、セロテーブを剥がした後があるビニール袋なんかに入っているとゲンナリです。

包装に手間とコストを掛けすぎる、「過剰梱包」という言葉がありますが、届いた商品を開けるときの「わくわく・ドキドキ感」はまた違った意味で大事なおもてなしだと思います。

July 27, 2006

GestureTekのエージェント始めます

gesturetek.png5月のDigital Retailing ExpoでGestureTekを見かけてから、その製品と技術に惚れて何度かサニーベールの事務所にお邪魔させていただいたのですが、このたび正式に同社のエージェント活動を行うことになりました。

GestureTek はプレステのEYE TOYなどで使用されているカメラを使ってのジェスチャ制御の特許を持ち、SONYやAPPLEなどにライセンスしています。 その他、天井から床面に投影して上を動く人間の動きにインタラクティブに追従するGroundFX、ショーウインドウや壁面をタッチパネル代わりにつかってしまう、GestPointなど、まさに我々が目指している、デジタルサイネージとコントロールシステムの近未来型融合を実現しています。 単純な1エージェントとしてではなく、メディアクラフトらしい提案を発表してゆきますのでお楽しみに。

July 18, 2006

Office warming party

Office_warming.jpgこちらでは、新居に移ると友人知人を招待して「ハウスウォーミングパーティ」というのをやったりします。 内容は引っ越し祝いパーティなんですが、この「House Warming」という呼び方が集まってくれたお客さんによって House が温かみのある Home になるようなイメージがあって好きです。 

というわけで、Office Warming という呼びかたがあるかどうかわかりませんが、新オフィスのお披露目を兼ねて親しい友人、お世話になった方などをお招きしてささやかなパーティを開きました。 急に決まって案内を出したので、誰も来てくれないのではと心配しましたが、おかげさまで多くの方にお集まり頂き、新オフィスも十分にウォームアップすることができました。 みなさん、ありがとうございました。

パーティの副産物として、あまったアルコールが会社の冷蔵庫に残っています。 すぐになくなってしまいそうですが、誰か飲みに来て下さい。

July 14, 2006

お引越し

前の会社に居候状態だった仮住まいから、ようやくメディアクラフトの新オフィスに引越しが完了しました。

新住所はこちらです:
3000 Scott Blvd., Suite 104
Santa Clara, CA 95051
Phone: 408-970-9320
Fax: 408-716-8843

新しいオフィスは中も外も明るくとてもよい雰囲気です。 こうしてみると前のオフィスはちょっと Depressing でした。 ビルの中も昼間でも暗い感じだし、なんと言ってもカーペットが濃緑。 この件では入居の際にリーシングオフィスのマネージャに「あんな Ugly なカーペットは嫌なので張り替えて欲しい」 と頼んだら、なんと彼女のオフィスも同じ濃緑のカーペットで機嫌をそこねてしまったというエピソードがありました。 (しかも、替えてくれなかった・・・・)

DSLも引越しから二日送れて無事開通。 ようやくまともに仕事できる環境が整ってきたところです。