COPA: 児童オンライン保護法
DOPA (Deleting Online Predator Act) 法案について、前のエントリ「子供のSNSアクセスを規制する法案が下院を通過」で紹介したが、アメリカでは8年前の1998年、クリントン政府が一字違いの COPA (Child Online Protection Act : 児童オンライン保護法) を議会で承認させている。 この法律は、、「未成年に有害な」コンテンツの掲載を犯罪行為と規定し、未成年からのアクセスを規制することを義務付けている。 しかし、この法案については立法後、多くの人権団体からの反対を受け、差し止めを求める訴訟がおこされ、その都度最高裁判所でも下級審に差し戻され、以来論争が続いており、実際には施行されていない。
COPAの定義では子供に有害なインターネットポルノについて、
COPA required all commercial distributors of "material harmful to minors" to protect their sites from access by minors. "Material harmful to minors" was defined as material that by "contemporary community standards" was judged to appeal to the "prurient interest" and that showed sexual acts or nudity (including female breasts). This is a much lower standard than obscenity and covers all hardcore and softcore pornography.
Wikipedia: COPA
となっており、未成年に有害なコンテンツを発信する際に未成年からのアクセスを規制する義務を与えている。 しかし、「未成年に有害」の定義が「現代の一般社会での常識」という曖昧で全般的な表現になっており、実際には性行為から女性の胸部を含むヌードまでの広い範囲が対象となっている。
COPA はアメリカ国内のWebサイトだけを規制の対象としているため、例え法的効力をもってポルノサイトを規制できたとしても、海外のサーバには効力を持たない。 このため、しばらく忘れかけられていた法律だが、ここへきて今年の3月、法務省がGoogle他に対して、COPA を元に検索記録のデータ提出を求めたことで再び注目を浴びることとなった。
連邦検察は18日に提出した裁判所文書の中で、インターネット上に存在する有害なコンテンツから未成年者を守る上で、(COPAのほうが)フィルタリングソフトよりも有効であることを証明するには、(検索エンジン各社に)召喚に応じてもらう必要がある、と述べている。
米政府、グーグルなどに召喚状--検索キーワードの開示を要求 -Cnet
このように、米国では子供を有害なサイトから守ることと、プライバシー・表現の自由が対立し論争となっているケースが多い。
残念なのは、本来子供の安全を守るために始まったはずのこうした法案が、結局行き着くところは個人の情報やネットビヘイビアを監視、管理したい政府と言論の自由を主張する人権団体との政治的な対立の構図に置き換わってしまうことだ。 ネットの世界はボーダレスで一国の法律では規制しきれないことを考えれば、発信元から規制するのは無理があり、受信側でフィルタリングするしかないのは明白だ。
