高坂悟郎:
(米)メディアクラフトLLC社長、二人の娘をアメリカ・カリフォルニアで育てながら、子供の教育、生活のなかでのインターネットのあり方について関心を持ち、その実態や環境についての情報を集めています。 連絡先:
kosaka (アットマーク)mediacraftlabs.com

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お年寄りはネットの進化から取り残して絶滅するのを待つしかないのか

このブログでは、現在激しい勢いで進化しているネットの中で主役では無いながらも、次の主役の座が約束されている子供たちとネットの関係について追求していますが、今回はちょっと方向性を斜めにずらして、ネットの世界に取り残されたまま絶滅しようとしているエージグループ、「お年寄り」に注目してみたいと思います。

現在のネット関連のテクノロジーは凄い勢いで進化し続けているので、若い世代でも最先端のネットテクノロジーにリアルタイムでついていく事ができているのはごく一握りの専門家です。 その後ろに、新し物好きなオタク層、コンピュータが趣味の理系の人が続きます。 こうした人は、新しい技術を誰よりも早く利用するためには、多少の使い勝手の悪さは気になりません。 技術のほうから利用者に歩み寄る前に、自分から勉強して新しい技術に歩み寄るタイプの人たちです。

最新技術が、一般人に使いやすいレベルまで降りてくるには多少の時間が必要です。 それまでの間は、こうした「利用者側からの歩み寄り」にある程度頼らざるを得ません。

自動車技術の促進が過渡期だった時期、最新の自動車にいち早く乗りたいユーザは、自ら自動車のメカニズムを勉強し、故障したら自分で修理できる技術を習得することが必要でした。 自動車技術は進化が速過ぎて、新しい技術を一般人に使いやすいものにしている暇がなく、どんどん次の技術が開発されていたのです。

この時期は、「車が好きな人」と「本当に車が必要な人」以外には、車とはずいぶんとっつきにくいものだったことでしょう。 しばらくして、自動車技術の進化の速度が緩まってくると、ユーザインタフェイスの進化が始まり、ボンネットなんか開けたことがなくても、車が動く仕組みをしらなくても自由に使いこなせる時代が訪れます。 この時期に、だれでも簡単につかいこなせるためのユーザインタフェイスが進化し、一般人が始めてその技術の恩恵を受けることができるようになるわけです。

インターネットは、今まだ進化の過渡期にあるといえると思います。 最新の技術についてゆくには、常に新しいものを勉強し続けなければなりません。 進化の速度が速すぎて、一般人に使いやすくするための技術は残念ながらまだ発達していません。

私の周りでも、最前線で働いている人たちのほとんどが、「実家の親はいまだにメールもできない、インターネットの恩恵をちっとも受けていない。」と言います。 

我々の親の世代は、インターネットから取り残されたまま、絶滅するしかないのでしょうか。

今、技術の進化のスピードを緩めてまで、この世代が追いついてくるのを待っているべきなのでしょうか。

ユーザインタフェイスを進化させるためには、根幹となる技術はある程度落ち着いている必要があります。 そうしないと、UIを進化させている間に、元の技術が古いものになってしまうからです。 実例として、NIFTYやAOLのように、一般人にコンピュータ通信を広めた功績は認められつつも、いまだに専用ブラウザからしかネットが見えない数年前で時間が止まってしまったユーザ層を作り上げることになってしまいます。

私は、技術の進化のスピードを緩めずに年配世代を取り込む道を見つけることが重要な課題だと考えます。 

今の、じいさんばあさん層の知恵をデジタイズすることができれば凄い資産になるでしょう。

うんちくを垂れるのが大好きで、時間だけはたっぷりあるこの世代の人に、情報発信、情報共有のツールをあたえることができれば、そこから私たちが得ることのできる情報量は計り知れません。

実際に、一部の恵まれたお年寄りがブログや個人ホームページで発信している情報の濃さ、深さに目を見張るものがあります。

これを実現するためには、技術の進化の速度を緩めるのではなく、置いてけぼりの彼を迎えに行って、おんぶしてここまで連れてくる若い世代のリアルな努力が必要なのではと漠然と考えを進めています。

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