タイガー タイガー じれったいがぁ~
先週の日曜日は第5回 シリコンバレー寄席でした。
こちらに来て、他に選択肢がないので週末の日本語放送の大河ドラマを観るようになった。日本では観てなかったけど。
アメリカ人に仏教のことについて聞かれるので調べてみた。特に信仰してないけど。
学校で子供が「ひなまつり」について説明するのでそのルーツなどを調べてみた。知らないことがいっぱいあった。
そういうことってないですか?
私にとっては落語も、アメリカに来て初めて触れた祖国日本の文化でした。
普段の生活でなかなか触れることがないけれど立派な日本の伝統芸能である落語を、遥か太平洋を越えて届けてくださるのは三遊亭圓橘師匠。
今回は先にニューヨークでの公演を終えてアメリカ大陸を横断してやってきてくださいました。
第一部は「こどもたちのための落語のつどい」ということで、日本語補習校に通う小中学生を中心に約70名の子供達が集まり、目の前で生の落語を楽しんでいました。
この回の演目は「時そば」。
扇子をお箸に見立てて、師匠がおいしそうにおそばをすするシーンが印象的なお噺。
師匠の口演が終わると、お噺の中に出てきたおそばの勘定をごまかすくだりを実際にみんなでやってみました。
「ひぃ、ふぅ、みぃ…」と普段言い馴れない言葉で数を数えることさえ難しい子供達。
そば屋との掛け合いの場面の「間」の大切さなども教えていただき、いくら本を読んでも学ぶことができない体験ができたと思います。
そしてその後には数組の親子に高座にあがっていただき、扇子を持っておそばを食べるしぐさをいかに本当に食べているように見せるか、という演技指導。
師匠が演じていると、本当にあつあつのおそばが入った丼が見えてくるようでしたが、素人さんたちがやっているのを見て、改めて師匠の芸の深さを思い知りました。
落語って、ただお噺をしゃべるだけではなくて、演じることなんですね。
さて、今回は縁あってこの落語の会のお手伝いをさせていただき、当日、師匠と師匠のご友人でありお世話係である方を会場までお連れしました。
その際、駐車場が会場の裏手にあったので車を回したところ、いつもは表で車を降りて会場入りされるお2人が「へぇ、裏はこんな風になってるんですね」というお話をされていました。
そして「裏は花色木綿」
とおっしゃった一言を、私は聞き逃しませんでした!!
これは落語「出来心」に出てくるセリフなのです。
少し前に、予習として(これでも…)Tokioの長瀬君が噺家として主演のドラマ「タイガー&ドラゴン」を見ていた時にこのお噺が出てきて知っていたので、思わず「よっ。さすがだねぇ。うまこと言うねぇ。」と江戸っ子調で言ってしまいそうになりましたが、あまりに失礼かと思い飲み込みました (*-∀-)…
前日は主催者であるおすし屋さんで当日参加できないお店のスタッフや関係者のために師匠が一席設けてくださるというのでお邪魔してきました。
お店のお座敷のテーブルの上に座布団を乗せて設えられた高座。
お酒やお寿司を囲んで、わいわいと人が集まり、ほんのりとオレンジ色の明かりの下、噺家の芸に耳を傾け、大笑いする。
大きな演芸場や立派な寄席での公演もすばらしいでしょうが、きっと江戸の昔はこんな風にひとが集まる場所で楽しまれていたものなんだろうなぁ、とタイムスリップしたような、江戸の町娘になったような気分を味わえました。
